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災厄の女王は急激な成長を遂げ、伝説の魔獣へと変貌した。
その圧倒的な力による爪の一振りは、3匹の『トモダチ』が姿を変えたガントレットごと
ドロシーを吹き飛ばし、叩き伏せ、そして粉々に粉砕してしまった。

傷つき倒れたドロシー。意識が遠のく彼女の脳裏に、ふと誰かの声が響いてきた。
―――――立つのです、『希望の鍵』よ。
(もうダメだよ・・・ボク・・・もう立ち上がれない・・・)
―――――貴方は決して一人ではありません。
芯の強そうな、でもどこか優しいその声。遥か昔に聞いたような・・でもどこで・・・?

途端、聞きなれた声が彼女に語りかけてきた。
『俺たちがいるだろう。だから大丈夫。勇気を出すんだ』
『シカタネェナ オレタチノ サイゴノチカラヲ カシテヤルゼ』
『寝てる暇は無い。奴の弱点を見極めるんだ』
(みんな・・・・ボク・・・・ボクは・・・・)

彼女の身体を暖かな光が包みこんだ。その光は王城を破壊し、
まさに業火を噴出せんとする魔獣を振り向かせるほどの強大な輝きを放っていた。
破壊の衝動以外に何も無いはずの魔獣の心に、不思議な衝動が走った。
それは人間にとっての動揺、怯み、そして恐怖心。魔獣にはまだそれを理解出来なかったが。

「ボクは負けない」
光の中から姿を現したドロシーの身体は、光の鎧によって包まれていた。3匹のトモダチの最後の力は、彼女にかつてない強大な力を与えていた。
「絶対、あきらめない!!」
もはや表情には何の迷いも無い。強い意志の力がその瞳に輝きを与えていた。
「行っくぞぉぉぉぉ!!」
風を切りながら、魔獣へと真っ直ぐに突き進むドロシー。
ワンダーランドの存亡を賭けた最終決戦が、今始まる。

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